今期の環境におけるエルドリッチ
こんにちは
コロナウイルスのせいで公認大会やYUDTなどがなくなり、来期握るデッキやメタを考えたりという方が増えているのではないでしょうか。
今回はそんな方々の候補の一つに私が以前から使っている60エルドリッチが入ればいいなと思い、60にするメリット、デメリットや採用理由、他環境デッキに対面した時に意識していることを話していこうと思います。
もくじ
1.60エルドリッチとはどんなデッキか
2.60枚にするメリット
3.60枚にするデメリット
4.各カードの採用枚数、採用理由
5.他環境デッキとの相性、考えること
6.最後に
1.60エルドリッチとはどんなデッキか
まず、60エルドリッチとはどんなデッキかについて紹介できればと思います。あまり見るデッキではないので、あまりご存じでない方も多いのではないでしょうか。
上の画像が、今期使用している60エルドリッチのデッキレシピになります。
このデッキの特徴を挙げると
1.手札誘発が入っていない
2.多種多様な永続罠が入っている
3.メインからラヴァゴーレム・ヴォルカニッククイーンが入っている
といったことが挙げられます。
このデッキは、「永続罠でロックしつつ、リソースが長く続くエルドリッチギミックで妨害して、エルドリッチで数ターンにわたって攻撃し続け、8000削り切ること」で勝ちにいくようなデッキになります。
2.60枚にするメリット
次に、60枚デッキでこのデッキを使うメリットを挙げていきたいと思います。
このデッキを使うメリットとして以下のようなことが挙げられます。
1.初動の多さ
2.各種永続罠による幅広いメタ
まず1の「初動の多さ」に関してですが、このデッキはエルドリッチにアクセスすることができるカードはとても多いです。具体的には、
黄金卿エルドリッチ×3
呪われしエルドランド×2
黒き覚醒のエルドリクシル×3
名推理×3
隣の芝刈り×2
おろかな副葬×3
紅き血染めのエルドリクシル×3
の計19枚が挙げられます。(名推理と隣の芝刈りは必ずしもアクセスできるとは限りませんが、大半の場合でアクセスできること、効果が通った場合のリターンがとても大きいためここに挙げています。)これらのカード一枚でエルドリッチにアクセスすることができ、墓地効果などでさらにアドバンテージをとることができます。また、エルドリッチが出てしまえば素引きの各種黄金卿罠も妨害になるので、非常に安定してアタッカーおよび妨害を用意できるデッキになります。40枚の構築になるとそこまで初動にさける枠がなく安定感に関しては60の方が上回っていると考えられます。
2の「各種永続罠による幅広いメタ」に関しては、このデッキに入っている永続罠の多様性を見てもらえばわかると思います。
スキルドレイン×3
サモンリミッター×3
魔封じの芳香×3
御前試合×3
王宮の勅命×1
以上の罠が入っています。詳しくは後程の各カードの採用理由の欄で話しますが、この永続罠で大体のデッキを見ることはできます。永続罠にさけるスロットの多さも60枚の魅力だと言えます。
3.60枚にするデメリット
反対にデメリットには次のようなものがあげられると思います。
1.ピンポイントで欲しいカードは引きづらい
2.羽根箒・ライトニングストームが果てしなく重い
1に関しては60枚デッキの宿命といえますが、例えば永続罠でスキルドレインしか刺さらないデッキ相手にスキルドレインを引ける確率はどうあがいても40枚の方が高くなりますし、ワンチャンを拾いに行く力という面に関しては、他のエルドリッチデッキに比べて弱くなってしまう部分だと思います。
2に関しては特に十二エルドとの比較になりますが、羽根箒・ライトニングストームを食らってしまった場合に、ゼロ妨害にしてしまう確率が非常に高いということです。前に立つ妨害がインスペクト・ボーダーとドーハスーラのみになってしまうためそれらがない場合、ワンキル・まくって制圧されてしまうことが多々あります。
4.各カードの採用枚数、採用理由
次は、各カードの採用理由と採用枚数に関してです。
まずはメインモンスター
黄金卿エルドリッチ×3
このデッキのメインアタッカー兼黄金卿罠を活かすためのキーカードです。
混ぜ物の場合は2枚採用も見ますが、純構築なら脳死で三枚です。墓穴の指名者を食らって全部飛ばされたら勝ちが消えるので、可能な限りケアして動きましょう。
死霊王ドーハスーラ×1
サブアタッカー兼アンデットワールド下の最強の妨害です。エルドリッチが場にいる場合に各エルドリクシル魔法罠で出せるため、容易に出てきます。妨害効果は名称ターン1ではないため、効果を使い切ったドーハスーラを永久に輝けし黄金郷のコストにして白き宿命のエルドリクシルで釣りあげたらもう一度効果が使えます。
屍界のバンシー×1
アンデットワールド貼るマンです。鉄獣相手に後手の時は通常召喚することでプレッシャーを与えることができます。攻撃力が1800あるのも、2ウーサまでは処理できるので優秀です。アンデットワールドを「発動する」効果なので魔封じ発動中だと使うことができません。注意してください。
ユニゾンビ×1
デッキから好きなアンデット落とすマンです。基本はエルドリッチをデッキから落としますが、素引きしている場合やすでに場にエルドリッチがいる場合はドーハやバンシーなどを落とす場合もあります。手札から捨てる効果はモンスター出なくてもよいので、エルドリクシルを捨てて妨害を増やしたりもします。
溶岩魔神ラヴァゴーレム×2、ヴォルカニッククイーン×3
このデッキには名推理採用の都合で手札誘発が入っていないため、先攻制圧した相手の盤面を崩すために使います。壊獣でない理由は、どちらも通常召喚できないモンスターであり、名推理でめくれても止まらないことが挙げられます。ヴォルカニッククイーンの方が多いのは、一枚リリースの方が小回りが利くからです。これらを出したターンは通常召喚できなくなるので気をつけましょう。
インスペクト・ボーダー×2
先行時最強の置物モンスターです。このデッキのモンスター効果はエルドリッチの各効果・ドーハスーラくらいしか使わず、他のデッキより被害が少ないため採用しています。相手のライトニングストームに選択肢を与えることができるため、大変重宝しています。エルドリッチを墓地効果で出そうとしているときに名推理で唐突にめくれると発狂しそうになるので気をつけましょう。
次に魔法カードです。
黒き覚醒のエルドリクシル×3
このデッキの初動兼墓地効果によりアドバンテージを稼ぐカードです。エルドリッチ効果のコストには優先的に使います。
白き宿命のエルドリクシル×2
初動にはなりませんが、中盤以降に墓地からエルドリッチを吊り上げたり、素引きしたドーハを吐き出したりに使います。
呪われしエルドランド×2
エルドリッチ関係で唯一規制を受けているカードです。初動がなければエルドリッチ本体を、妨害が薄ければ各種黄金郷罠を持ってくることができます。このカードを発動しているとインスペクトボーダーは攻撃できないので注意しましょう。自分は攻撃して警告を食らいました。
名推理×3
墓地肥やし兼リクルーターです。エルドリッチ本体かボーダーが捲れたら御の字です。場にモンスターがいるときにボーダーが捲れると何も出ずに墓地肥やしが終わるので気をつけましょう。このカードを使って残りデッキ5枚になって負けたことがあります。
金満で謙虚な壺×3
6枚めくって好きなカードを回収できるマンです。強欲で金満な壺でなくこちらを採用した理由は、被りが致命的に弱いことです。好みで強金に変えてもいいと思います。
おろかな副葬×3
エルドリクシルがなければ黄金郷を、エルドリクシルがあればエルドリクシルを落として初動にも妨害にもなるカードです。自由が利くのと初動になるので3枚採用です。中盤以降は弱いのでコストにすることが多くなります。
アンデットワールド×2
バンシーで簡単に発動することができます。鉄獣戦線を一撃でつぶすことができ、ドーハスーラがなんでも無効に変わり、ヴァンパイアサッカーの効果で何かしら蘇生するとワンドローに変わります。
隣の芝刈り×2
一枚で複数のアドバンテージを稼ぐことができます。余談ですが、名推理と芝刈りを両引きしていたら芝刈りから使いましょう。逆だと名推理が通った場合に芝刈りのバリューが下がるからです。
次に罠カードです。
紅き血染めのエルドリクシル×3
各種エルドリクシルの中で一番自由が利きます。墓地効果も唯一フリーチェーンで使えます。ただし場の効果はうらら・わらしどちらも直撃するのでエルド素引きの場合は白を優先的にセットすることが多いです。
黄金郷のコンキスタドール×3
自分フィールドにエルドリッチがいれば表側のカードを何でも破壊することができます。スペックも500/1800と悪くなく、場もちもいいです。自分のエルドリッチを対象にパニッシュ面とを発動された場合、コンキスタでそのエルドリッチを破壊するといった動きをすることもあります。
黄金郷のワッケーロ×3
コンキスタと同じ条件でお互いの墓地のカードを除外することができます。ちなみにエルドリッチの有無にかかわらず屋敷わらしで無効にできます。
永久に輝けし黄金郷×2
場にエルドリッチがいる時、アンデットをリリースすることで何でも無効にできるカウンター罠です。エルドリクシルで疑似サーチできるので用意しやすいカウンター罠になります。サイド後なら羽根ライストを止めるのに優先的に持ってきます。
スキルドレイン×3
このデッキの永続罠で特に刺さるデッキの多いカードです。場のモンスター効果を無効にしますが、エルドリッチは場で発動する効果がほぼないこと、墓地効果で出てきたエルドリッチも打点が戻らないことから非常に相性がいい罠になります。
サモンリミッター×3
お互いに一ターンにできる召喚特殊召喚反転召喚が二回までになります。後から発動しても適用されるので、二回目の特殊召喚効果にチェーンして発動すると、相手は止まらざるを得なくなります。
魔封じの芳香×3
メインデッキでこのカードを見ることは少ないと思いますが、現環境で魔法を使わないデッキはほぼないこと、羽根の回答である永久に輝けし黄金郷は一ターンの猶予があれば容易に用意できることから採用しています。
御前試合×3
鉄獣やドラゴンメイド、電脳堺、コードトーカーなど複数の属性を使うデッキが現環境に多いので採用しています。エルドリッチ側は光さえ出せてしまえば何とかなる&いざとなればエルドリッチ墓地効果で解除できる点からも強いカードになっています。
王宮の勅命×1
魔封じと同じ理由+結局自分で解除できてしまうため採用。
神の宣告×3
通告でなく宣告である理由は、
・モンスター効果封じはスキドレ+ボーダーで間に合っている。
・魔法罠を割るカードに対応できる
の二点で宣告を採用しています。
次にエクストラデッキ
超弩級砲塔列車グスタフマックス×3、超弩級砲塔列車ジャガーノートリーベ×2
この二枚のおかげで返しのターンのワンショットキルが可能になっているため、予備含めてこの枚数採用です。
天霆號アーゼウス×2
ジャガーノートリーベでライフをきれなかったとき、プレアデスが残った時に使います。ほかのデッキよりは被害が少ないですが、リソースには限りがあるのでできるだけ使わずに保険で残すことが多いです。
セイクリッドプレアデス×2
黄金郷罠二枚で出せます。バウンスが強い場合、アーゼウスを立てたい場合は積極的に出しに行きます。
No.61ヴォルカザウルス×1
プレアデスと同じ条件で出せます。が、出したことはないので使用感は何とも言えないです。
混沌の戦士カオスソルジャー×1
エルドリッチ+モンスター二体で出すことが多いです。耐性も強いし出せる場合は出すことが多いです。
ヴァンパイアサッカー×2
罠モンスターやエルドリッチ本体を墓地に送りたいときには積極的に出して墓地効果を使いに行きます。
星杯竜イムドゥーク×2
罠モンスター単体でリンク召喚できます。リンクスパイダーと選べますが、盤面での効果が使える分、イムドゥークを使っています。
最後にサイドデッキです。
アーティファクトーロンギヌス×3
名推理で出てしまっても効果が使える&現環境に刺さっている分採用しています。
溶岩魔神ラヴァゴーレム×1
メインのものと同じ採用理由です。
冥王結界波×3
ドライトロン、エンディミオン対面の時に入れます。
サイクロン×3
ドラゴンメイドやミラーマッチ、エンディミオンに入れます。最悪黄金郷を破壊すればエルドリッチにアクセスできるのでコズサイでなくサイクロンを採用しています。
ハーピィの羽根箒×1
罠デッキなら入れます。理由はいらないと思います。
魔宮の賄賂×3
羽根、ライスト、リブートを止めるのにサイド後先行時に入れます。全ブッパ系以外を止める時にも使いどころはあるので強いです。
虚無空間×1
展開系対面の先行時に入れます。ただ、黄金郷罠は特殊召喚して妨害する分相性は今一つなのでメインでの採用は見送ってます。
5.他デッキとの相性、考えること
・電脳堺
こちらのスキドレが刺さらない代わりに相手のVFDもこちらには刺さらないので、メイン戦に関しては五分かなと思います。ただ、デッキがばれて仙々立ててエンドされるとしんどいのと永続罠を朱雀で割りに来られるのでサイド後はやや不利かなと思います。
できるだけサモリミ・御前試合を維持すること、朱雀は早めに処理すること、墓穴ケアを怠らないことを意識しています。
・鉄獣戦線
スキドレで詰むこと、アンワでも詰むこと、召喚権をコンキでつぶし続ければ割と何とかなること、ウーサが刺さらないことから、7-3で有利くらいに思っています。十二が入っている場合はドランシアがいればどこに打たせるか、リボルトの処理方法などに気を付けますが、先行取れて手札が余程のことがなければ勝てるので気楽に行けると思います。
・ドラゴンメイド
永続罠を自力で解除できること、リソースぐるぐるでエルドリッチよりロングゲームができることから、4-6でやや不利かなと思っています。できるだけ早めにライフを切りに行けるように意識して動きます。
・シャドール
お互いにメタがかぶってないので、まあ五分かなぁって感じで見ています。金謙で魔封じ勅命を積極的に拾いに行くようにするくらいです。エリアルは滅んでくれ。
・サンダードラゴン
サンドラ使いもエルド使いもお互いに有利に思っているようなので五分だと思います。サイド後は先行くれることが多いので、羽根ライストケアさえできていれば普通に有利だと思います。
・コードトーカー
初動を止めればモンスターが横並びしない&きつい罠が大捕物くらいで手数でこえれる点から有利かなと思います。どこにコンフリクトを打たせるかは気を付けてます。
・十二獣
初動をコンキで割ればいい&通告が刺さらない&比較的アーゼウスが超えやすい点から有利で見てます。マクロコスモスがあると話が変わりますが、そこのケアさえできていればまあ・・・って感じです。
・展開系全般
サモリミとスキドレがあればなんとかなります。気合で引いてください。後手?ちょっと何言ってるかわからないです・・・。
6.最後に
エルドリッチは好き嫌いが別れやすいデッキだと思います。永続ビートが嫌いな人だったり、ET・EDに弱いのが嫌いだったりという意見もわかります。実際自分も定期的に他のデッキを握ってやり取りをする遊戯王を忘れないようにしようともしています。しかし、エルドリッチというデッキに興味を持ってくださる方がおられましたら、強いデッキなので候補の一つにしていただければと思います。