今期の環境におけるエルドリッチ

こんにちは

コロナウイルスのせいで公認大会やYUDTなどがなくなり、来期握るデッキやメタを考えたりという方が増えているのではないでしょうか。

今回はそんな方々の候補の一つに私が以前から使っている60エルドリッチが入ればいいなと思い、60にするメリット、デメリットや採用理由、他環境デッキに対面した時に意識していることを話していこうと思います。

 

もくじ

1.60エルドリッチとはどんなデッキか

2.60枚にするメリット

3.60枚にするデメリット

4.各カードの採用枚数、採用理由

5.他環境デッキとの相性、考えること

6.最後に

 

1.60エルドリッチとはどんなデッキか

まず、60エルドリッチとはどんなデッキかについて紹介できればと思います。あまり見るデッキではないので、あまりご存じでない方も多いのではないでしょうか。

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上の画像が、今期使用している60エルドリッチのデッキレシピになります。

このデッキの特徴を挙げると

1.手札誘発が入っていない

2.多種多様な永続罠が入っている

3.メインからラヴァゴーレム・ヴォルカニッククイーンが入っている

といったことが挙げられます。

このデッキは、「永続罠でロックしつつ、リソースが長く続くエルドリッチギミックで妨害して、エルドリッチで数ターンにわたって攻撃し続け、8000削り切ること」で勝ちにいくようなデッキになります。

 

2.60枚にするメリット

次に、60枚デッキでこのデッキを使うメリットを挙げていきたいと思います。

このデッキを使うメリットとして以下のようなことが挙げられます。

1.初動の多さ

2.各種永続罠による幅広いメタ

まず1の「初動の多さ」に関してですが、このデッキはエルドリッチにアクセスすることができるカードはとても多いです。具体的には、

黄金卿エルドリッチ×3

呪われしエルドランド×2

黒き覚醒のエルドリクシル×3

名推理×3

隣の芝刈り×2

おろかな副葬×3

紅き血染めのエルドリクシル×3

の計19枚が挙げられます。(名推理と隣の芝刈りは必ずしもアクセスできるとは限りませんが、大半の場合でアクセスできること、効果が通った場合のリターンがとても大きいためここに挙げています。)これらのカード一枚でエルドリッチにアクセスすることができ、墓地効果などでさらにアドバンテージをとることができます。また、エルドリッチが出てしまえば素引きの各種黄金卿罠も妨害になるので、非常に安定してアタッカーおよび妨害を用意できるデッキになります。40枚の構築になるとそこまで初動にさける枠がなく安定感に関しては60の方が上回っていると考えられます。

 

2の「各種永続罠による幅広いメタ」に関しては、このデッキに入っている永続罠の多様性を見てもらえばわかると思います。

キルドレイン×3

サモンリミッター×3

魔封じの芳香×3

御前試合×3

王宮の勅命×1

以上の罠が入っています。詳しくは後程の各カードの採用理由の欄で話しますが、この永続罠で大体のデッキを見ることはできます。永続罠にさけるスロットの多さも60枚の魅力だと言えます。

 

3.60枚にするデメリット

反対にデメリットには次のようなものがあげられると思います。

1.ピンポイントで欲しいカードは引きづらい

2.羽根箒・ライトニングストームが果てしなく重い

1に関しては60枚デッキの宿命といえますが、例えば永続罠でスキルドレインしか刺さらないデッキ相手にスキルドレインを引ける確率はどうあがいても40枚の方が高くなりますし、ワンチャンを拾いに行く力という面に関しては、他のエルドリッチデッキに比べて弱くなってしまう部分だと思います。

2に関しては特に十二エルドとの比較になりますが、羽根箒・ライトニングストームを食らってしまった場合に、ゼロ妨害にしてしまう確率が非常に高いということです。前に立つ妨害がインスペクト・ボーダーとドーハスーラのみになってしまうためそれらがない場合、ワンキル・まくって制圧されてしまうことが多々あります。

 

4.各カードの採用枚数、採用理由

次は、各カードの採用理由と採用枚数に関してです。

まずはメインモンスター

黄金卿エルドリッチ×3

このデッキのメインアタッカー兼黄金卿罠を活かすためのキーカードです。

混ぜ物の場合は2枚採用も見ますが、純構築なら脳死で三枚です。墓穴の指名者を食らって全部飛ばされたら勝ちが消えるので、可能な限りケアして動きましょう。

死霊王ドーハスーラ×1

サブアタッカー兼アンデットワールド下の最強の妨害です。エルドリッチが場にいる場合に各エルドリクシル魔法罠で出せるため、容易に出てきます。妨害効果は名称ターン1ではないため、効果を使い切ったドーハスーラを永久に輝けし黄金郷のコストにして白き宿命のエルドリクシルで釣りあげたらもう一度効果が使えます。

屍界のバンシー×1

アンデットワールド貼るマンです。鉄獣相手に後手の時は通常召喚することでプレッシャーを与えることができます。攻撃力が1800あるのも、2ウーサまでは処理できるので優秀です。アンデットワールドを「発動する」効果なので魔封じ発動中だと使うことができません。注意してください。

ニゾンビ×1

デッキから好きなアンデット落とすマンです。基本はエルドリッチをデッキから落としますが、素引きしている場合やすでに場にエルドリッチがいる場合はドーハやバンシーなどを落とす場合もあります。手札から捨てる効果はモンスター出なくてもよいので、エルドリクシルを捨てて妨害を増やしたりもします。

溶岩魔神ラヴァゴーレム×2、ヴォルカニッククイーン×3

このデッキには名推理採用の都合で手札誘発が入っていないため、先攻制圧した相手の盤面を崩すために使います。壊獣でない理由は、どちらも通常召喚できないモンスターであり、名推理でめくれても止まらないことが挙げられます。ヴォルカニッククイーンの方が多いのは、一枚リリースの方が小回りが利くからです。これらを出したターンは通常召喚できなくなるので気をつけましょう。

インスペクト・ボーダー×2

先行時最強の置物モンスターです。このデッキのモンスター効果はエルドリッチの各効果・ドーハスーラくらいしか使わず、他のデッキより被害が少ないため採用しています。相手のライトニングストームに選択肢を与えることができるため、大変重宝しています。エルドリッチを墓地効果で出そうとしているときに名推理で唐突にめくれると発狂しそうになるので気をつけましょう。

次に魔法カードです。

黒き覚醒のエルドリクシル×3

このデッキの初動兼墓地効果によりアドバンテージを稼ぐカードです。エルドリッチ効果のコストには優先的に使います。

白き宿命のエルドリクシル×2

初動にはなりませんが、中盤以降に墓地からエルドリッチを吊り上げたり、素引きしたドーハを吐き出したりに使います。

呪われしエルドランド×2

エルドリッチ関係で唯一規制を受けているカードです。初動がなければエルドリッチ本体を、妨害が薄ければ各種黄金郷罠を持ってくることができます。このカードを発動しているとインスペクトボーダーは攻撃できないので注意しましょう。自分は攻撃して警告を食らいました。

名推理×3

墓地肥やし兼リクルーターです。エルドリッチ本体かボーダーが捲れたら御の字です。場にモンスターがいるときにボーダーが捲れると何も出ずに墓地肥やしが終わるので気をつけましょう。このカードを使って残りデッキ5枚になって負けたことがあります。

金満で謙虚な壺×3

6枚めくって好きなカードを回収できるマンです。強欲で金満な壺でなくこちらを採用した理由は、被りが致命的に弱いことです。好みで強金に変えてもいいと思います。

おろかな副葬×3

エルドリクシルがなければ黄金郷を、エルドリクシルがあればエルドリクシルを落として初動にも妨害にもなるカードです。自由が利くのと初動になるので3枚採用です。中盤以降は弱いのでコストにすることが多くなります。

アンデットワールド×2

バンシーで簡単に発動することができます。鉄獣戦線を一撃でつぶすことができ、ドーハスーラがなんでも無効に変わり、ヴァンパイアサッカーの効果で何かしら蘇生するとワンドローに変わります。

隣の芝刈り×2

一枚で複数のアドバンテージを稼ぐことができます。余談ですが、名推理と芝刈りを両引きしていたら芝刈りから使いましょう。逆だと名推理が通った場合に芝刈りのバリューが下がるからです。

次に罠カードです。

紅き血染めのエルドリクシル×3

各種エルドリクシルの中で一番自由が利きます。墓地効果も唯一フリーチェーンで使えます。ただし場の効果はうらら・わらしどちらも直撃するのでエルド素引きの場合は白を優先的にセットすることが多いです。

黄金郷のコンキスタドール×3

自分フィールドにエルドリッチがいれば表側のカードを何でも破壊することができます。スペックも500/1800と悪くなく、場もちもいいです。自分のエルドリッチを対象にパニッシュ面とを発動された場合、コンキスタでそのエルドリッチを破壊するといった動きをすることもあります。

黄金郷のワッケーロ×3

コンキスタと同じ条件でお互いの墓地のカードを除外することができます。ちなみにエルドリッチの有無にかかわらず屋敷わらしで無効にできます。

永久に輝けし黄金郷×2

場にエルドリッチがいる時、アンデットをリリースすることで何でも無効にできるカウンター罠です。エルドリクシルで疑似サーチできるので用意しやすいカウンター罠になります。サイド後なら羽根ライストを止めるのに優先的に持ってきます。

キルドレイン×3

このデッキの永続罠で特に刺さるデッキの多いカードです。場のモンスター効果を無効にしますが、エルドリッチは場で発動する効果がほぼないこと、墓地効果で出てきたエルドリッチも打点が戻らないことから非常に相性がいい罠になります。

サモンリミッター×3

お互いに一ターンにできる召喚特殊召喚反転召喚が二回までになります。後から発動しても適用されるので、二回目の特殊召喚効果にチェーンして発動すると、相手は止まらざるを得なくなります。

魔封じの芳香×3

メインデッキでこのカードを見ることは少ないと思いますが、現環境で魔法を使わないデッキはほぼないこと、羽根の回答である永久に輝けし黄金郷は一ターンの猶予があれば容易に用意できることから採用しています。

御前試合×3

鉄獣やドラゴンメイド、電脳堺、コードトーカーなど複数の属性を使うデッキが現環境に多いので採用しています。エルドリッチ側は光さえ出せてしまえば何とかなる&いざとなればエルドリッチ墓地効果で解除できる点からも強いカードになっています。

王宮の勅命×1

魔封じと同じ理由+結局自分で解除できてしまうため採用。

神の宣告×3

通告でなく宣告である理由は、

・モンスター効果封じはスキドレ+ボーダーで間に合っている。

・魔法罠を割るカードに対応できる

の二点で宣告を採用しています。

次にエクストラデッキ

超弩級砲塔列車グスタフマックス×3、超弩級砲塔列車ジャガーノートリーベ×2

この二枚のおかげで返しのターンのワンショットキルが可能になっているため、予備含めてこの枚数採用です。

天霆號アーゼウス×2

ジャガーノートリーベでライフをきれなかったとき、プレアデスが残った時に使います。ほかのデッキよりは被害が少ないですが、リソースには限りがあるのでできるだけ使わずに保険で残すことが多いです。

セイクリッドプレアデス×2

黄金郷罠二枚で出せます。バウンスが強い場合、アーゼウスを立てたい場合は積極的に出しに行きます。

No.61ヴォルカザウルス×1

プレアデスと同じ条件で出せます。が、出したことはないので使用感は何とも言えないです。

混沌の戦士カオスソルジャー×1

エルドリッチ+モンスター二体で出すことが多いです。耐性も強いし出せる場合は出すことが多いです。

ヴァンパイアサッカー×2

罠モンスターやエルドリッチ本体を墓地に送りたいときには積極的に出して墓地効果を使いに行きます。

星杯竜イムドゥーク×2

罠モンスター単体でリンク召喚できます。リンクスパイダーと選べますが、盤面での効果が使える分、イムドゥークを使っています。

最後にサイドデッキです。

アーティファクトーロンギヌス×3

名推理で出てしまっても効果が使える&現環境に刺さっている分採用しています。

溶岩魔神ラヴァゴーレム×1

メインのものと同じ採用理由です。

冥王結界波×3

ドライトロン、エンディミオン対面の時に入れます。

サイクロン×3

ドラゴンメイドやミラーマッチ、エンディミオンに入れます。最悪黄金郷を破壊すればエルドリッチにアクセスできるのでコズサイでなくサイクロンを採用しています。

ハーピィの羽根箒×1

罠デッキなら入れます。理由はいらないと思います。

魔宮の賄賂×3

羽根、ライスト、リブートを止めるのにサイド後先行時に入れます。全ブッパ系以外を止める時にも使いどころはあるので強いです。

虚無空間×1

展開系対面の先行時に入れます。ただ、黄金郷罠は特殊召喚して妨害する分相性は今一つなのでメインでの採用は見送ってます。

 

5.他デッキとの相性、考えること

・電脳堺

こちらのスキドレが刺さらない代わりに相手のVFDもこちらには刺さらないので、メイン戦に関しては五分かなと思います。ただ、デッキがばれて仙々立ててエンドされるとしんどいのと永続罠を朱雀で割りに来られるのでサイド後はやや不利かなと思います。

できるだけサモリミ・御前試合を維持すること、朱雀は早めに処理すること、墓穴ケアを怠らないことを意識しています。

・鉄獣戦線

スキドレで詰むこと、アンワでも詰むこと、召喚権をコンキでつぶし続ければ割と何とかなること、ウーサが刺さらないことから、7-3で有利くらいに思っています。十二が入っている場合はドランシアがいればどこに打たせるか、リボルトの処理方法などに気を付けますが、先行取れて手札が余程のことがなければ勝てるので気楽に行けると思います。

・ドラゴンメイド

永続罠を自力で解除できること、リソースぐるぐるでエルドリッチよりロングゲームができることから、4-6でやや不利かなと思っています。できるだけ早めにライフを切りに行けるように意識して動きます。

・シャドール

お互いにメタがかぶってないので、まあ五分かなぁって感じで見ています。金謙で魔封じ勅命を積極的に拾いに行くようにするくらいです。エリアルは滅んでくれ。

・サンダードラゴン

サンドラ使いもエルド使いもお互いに有利に思っているようなので五分だと思います。サイド後は先行くれることが多いので、羽根ライストケアさえできていれば普通に有利だと思います。

・コードトーカー

初動を止めればモンスターが横並びしない&きつい罠が大捕物くらいで手数でこえれる点から有利かなと思います。どこにコンフリクトを打たせるかは気を付けてます。

・十二獣

初動をコンキで割ればいい&通告が刺さらない&比較的アーゼウスが超えやすい点から有利で見てます。マクロコスモスがあると話が変わりますが、そこのケアさえできていればまあ・・・って感じです。

・展開系全般

サモリミとスキドレがあればなんとかなります。気合で引いてください。後手?ちょっと何言ってるかわからないです・・・。

 

6.最後に

エルドリッチは好き嫌いが別れやすいデッキだと思います。永続ビートが嫌いな人だったり、ET・EDに弱いのが嫌いだったりという意見もわかります。実際自分も定期的に他のデッキを握ってやり取りをする遊戯王を忘れないようにしようともしています。しかし、エルドリッチというデッキに興味を持ってくださる方がおられましたら、強いデッキなので候補の一つにしていただければと思います。

 

 

スキドレで苦い顔をされるブログ~エルドリッチ入門~

 初めまして、主に高松で遊戯王をしているマサラタウン(twitter  @sky₋striker₋ace)と申します。

 昨今の事情で遊戯王の公認大会やCSがない中で少しずつ非公認大会が復活しているということで、今期使用しているエルドリッチを思い出すということも含めて書いていきたいと思います。これからエルドリッチを使いたい人、エルドリッチ対面が苦手な人の参考になれば幸いです。

 初めて書くブログですので読みにくいところなどあると思いますがよろしくお願いします。

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・1 エルドリッチの特徴

・2 エルドリッチの長所、短所

・3 採用カードの採用理由

・4 終わりに

 

1 エルドリッチの特徴

 まず最初にエルドリッチというデッキの特徴についてです。

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 上の写真は今使っているエルドリッチのレシピになります。(EXの裏側のカードはジャガーノートリーベでお願いします)うららが一枚だけ違う?ラー玉のレアリティが違う?

・・・この構築はメインでガメシエルが入っていたりラー玉が再度にいたり若干とがった構築になりますが、大体こんな感じになります。ほかにドーハスーラが入ったアンデット寄りのエルドリッチの構築もありますが、ここでは罠ビのエルドリッチの解説をしていきます。

 エルドリッチは相手をモンスターで殴って勝つビートダウン、特に罠で妨害しながらビートしていくので罠ビートと呼ばれるデッキタイプになります。ほかの環境デッキの罠ビートのデッキとしてオルターガイストやサブテラーがあげられると思います。これらのデッキとの最大の違いが「火力の出力」であると思います。オルターガイストやサブテラ―といったデッキは、メインアタッカーがオルタのマリオネッターとサブテラ―の導師で1600と全体的に火力があまりなく、ロングゲームに持ち込んでリソースの差で勝っていくデッキになると思います。それに対してエルドリッチはエルドリッチが2500打点、自身の効果を使うと3500打点と後攻1ターン目で出せる打点が高いデッキになっています。また、ほかの罠ビと同じでリソースが尽きにくく、ロングゲームでも十二分に戦える、臨機応変な戦い方ができるデッキといえます。

 

2 エルドリッチの長所、短所

次にエルドリッチの長所、短所を挙げていきたいと思います。

・エルドリッチの長所

Ⅰ初動の多さ

 遊戯王での敗因として「初動の欠如」は多いと思います。初動が初手にないと盤面に何も構えることができず、返しのターンでワンキルor制圧されそのまま負けるということになってしまいます。それだけ大事な初動ですのでどのデッキでも初動は一定数入れていると思います。

 そんな初動ですが、エルドリッチにおいては1枚初動がエルドリクシル(紅、黒)、おろかな副葬の9枚、さらに若干弱いですがエルドランド+魔法罠2枚、素引きエルドリッチ+魔法罠3枚でも先行から動けます。複数枚初動もエルドリッチ魔法罠は一部を除き墓地効果を持っていますので、そこまでのアド損にはならない場合が多いです。さらに黄金郷魔法罠も墓地効果でエルドリクシルを持ってくることができるので返しのターンで戦闘破壊させれば初動になります。以上のようにエルドリッチは初動となるカードが非常に多く、手札事故で何もできないまま負けるということはあまりないデッキであると言えます。

Ⅱ妨害の質の高さ

 このデッキは特徴のところでも書いたように罠で妨害しながらビートしていくデッキになりますので罠の妨害の質が重要になってきます。レシピでもあるようにスキルドレインや王宮の勅命といった場にあることによって莫大な影響を及ぼす純粋なパワーカードがエルドリッチ側はほぼノーリスクで発動することができます。特にスキドレに関しては、モンスター主体で展開していく現代遊戯王において1枚でゲームエンドに持っていくだけのパワーがあると言えます。

 また自前の黄金郷罠による妨害に関しても、フリーチェーンで撃てる除去に墓地除外、なんでも無効にできるカウンター罠と様々な場面に対応できる妨害になっています。1枚で確実に1枚以上の損失を相手に生み出すことができ、非常に質の高い妨害であるということができます。

Ⅲ継戦能力の高さ

 エルドリッチの魔法罠には、一部を除き対になる魔法罠をデッキから持ってくる効果があります。黄金郷ならエルドリクシルを、エルドリクシルなら黄金郷を持ってくることができます。(固有効果とリクルート効果はいずれか名称ターン1ですが)この効果があることによって、毎ターン展開と妨害を行うことができ、ロングゲームでも息切れすることが少ないデッキであると言えます。

・エルドリッチの短所

Ⅰエルドリッチに頼りきりである

 このデッキはメインのアタッカーとなるモンスターが黄金郷エルドリッチしかおらず、このデッキの自前の妨害である黄金郷罠はいずれも黄金郷エルドリッチが場にいなければ固有の妨害効果を発動することができません。したがって、エルドリッチにアクセスできないor除去されてしまうことによって妨害数が大きく減少してしまいます。したがっていかにエルドリッチを場に残らせるかが重要なデッキになります。なお、エルドリクシルに除外から特殊召喚するものはないため、エルドリッチ三枚を墓穴やD.D.クロウ、召喚魔術などで抜かれるとカオスソルジャービートしかなくなりますのでご注意ください。

Ⅱ先攻で超展開された時に手数が足りない

 このデッキは罠主体のデッキであるため基本先攻をとるデッキです。後手を取らされた時に全盛期のドラゴンリンクのような先攻6妨害のようなことをされてしまうとなすすべもなく負けてしまいます。しかしデッキスロットの関係上そこまで誘発を多くすることができず、メインデッキではうららとGの5枚とガメシエルの除去しか先攻展開に対応するカードがありません。かといって誘発を増やすとこちらの先攻での妨害が弱くなってしまう恐れがあるため、安易にデッキ枚数を増やすことができないのでこのような構築に今現在なっています。環境の変化で先攻制圧してくるデッキが増えるとまた構築も変わりますが、現状先攻制圧系のデッキは少ないので誘発5枚体制で落ち着いています。

Ⅲ妨害が見えやすい

 黄金郷罠はエルドリクシル魔法罠で持ってくることができますが、相手にも見えている妨害になるので、相手のマストカウンターに確実に妨害を当てられるように、ほかのデッキへの理解が非常に重要になってきます。

 

以上のようなことがエルドリッチの長所短所として挙げられます。

 

3 採用カードの採用理由

 次にメインデッキとEXデッキの採用カードと採用理由、また採用枚数の理由を挙げていきたいと思います。サイドデッキは住んでいる地域の環境によっても左右されてくるものだと思うので今回は割愛します。

メインデッキ(モンスター)

黄金卿エルドリッチ×3

 このデッキのエースモンスターで、メインアタッカーかつ妨害要員と一人で何でもするぶん高い出勤率が要求される、ブラック企業社畜といったところでしょうか。採用理由は言うまでもないと思います。採用枚数は人によっては2枚の構築もたまに見かけますが、墓穴などで除外されるリスクやグスタフリーベができるといった理由から3枚採用してます。

灰流うらら×3、増殖するG×2

 日本のOCGにおいて最も採用率の高い手札誘発の2枚だと思います。被りが弱いですが、相手の先攻展開に対応できる貴重なカードです。Gは前期のリリクラドラグーンが規制でいなくなったこと、展開を許すとゲームエンドまで持っていけるデッキが3軸シンクロくらいでシェアが高くないことから現状2枚でいっています。環境次第ではGの代わりにほかの誘発に変更することもあります。

海亀壊獣ガメシエル×2

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 メインでガメシエルを入れているデッキはほぼないと思います。エルドリッチにおいてもいかに超魔導竜騎士ドラグーンオブレッドアイズをこえるかということは大きな課題であり、このデッキではガーディアンかスキドレ、ドラグーンが3000打点のままであれば墓地効果を使ったエルドリッチでこえることができます。超える手段が限られている分、相手もそこをピンポイントで止めてくるため、ドラグーンを乗り越えることは非常に困難になっています。そこで1枚でドラグーンをこえることができ、かつ相手が止められないカートとしてガメシエルを採用しています。また、相手のほかの厄介なモンスターも飛ばせるため非常に便利です。

メインデッキ(魔法)

強欲で金満な壺×3

 EXデッキをほぼ使わないデッキのお友達です。強金を打つとうららがあれば打ってくれるので、そのあとに通したい黒き覚醒めのエルドリクシルを確実に通すことができるため極力初手に欲しいカードの1枚です。入れるなら3枚必須のカードです。

おろかな副葬×3

 初動がない場合は黄金郷罠を落とすことで1枚初動になり、初動があればエルドリクシルを落とすことで妨害を増やすことができるため、非常に応用が利くカードです。2ターン目以降も手札に来ても困らず、1枚初動のカードのため3枚採用です。

エルドリクシル(黒×3 白×1)

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 黒き覚醒は1枚初動になります。エルドリッチが場にいることが非常に重要になってくるこのデッキにおいてはこのカードが通るかが非常に重要になってくるので、副葬以外にうららチェックできるカードがあれば先に打って、極力黒き覚醒が通るような工夫が必要になってきます。1枚初動なので3枚採用しています。一方白き宿命は1枚で初動にはならないものの、手札

にエルドリッチがあれば、確実にエルドリッチを出すことができるため、初手次第では黄金郷のサーチで初動として持ってくるカードのなります。ほかの手札によって重要度が変わるため1枚採用になります

呪われしエルドランド×2

 1枚が二枚以上になる爆アドなカードですが、被りが非常に弱い点、アンデット以外が攻撃できなくなる制約が刺さる場面があり、エルドリッチの墓地効果で処理できるようにしておきたいことから2枚採用にしています。人によっては3枚採用している人もいるため、使用感に応じて枚数変更してもいいカードだと思います。

メインデッキ(罠)

紅き血染めのエルドリクシル×3

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 黒き覚醒同様に1枚初動であり、罠のため先攻のエンドフェイズに黄金郷で持ってきてそのまま打てるカードになります。1枚初動のため3枚採用です。ほかのエルドリクシルと違い罠のため、墓地効果もフリーチェーンで撃てるのは非常に強いです。うららがないようにお祈りしてください。

黄金郷(コンキスタドール×3、ワッケーロ×2、ガーディアン×1、永久に輝けし×2)f:id:sky-striker-ace:20200508022057j:plainf:id:sky-striker-ace:20200508022055j:plain

 永久以外が罠モンスターでエルドリッチがいると妨害を行います。内容はコンキが破壊での除去、ワッケーロが墓地除外、ガーディアンが攻撃力0です。いずれも対象にとらない効果なので相手がチェーンして発動した効果に応じて対応できます。永久はカウンター罠で魔法罠モンスター効果なんでもアンデットをリリースして無効にできます。神の宣告で無効にできないモンスター効果も無効にでき便利ですが、他の黄金郷と違い墓地効果がないので安易に使うとリソースが足りなくなります。

キルドレイン×3

 フィールドのモンスター効果をすべて無効にするという影響力の非常に強いカードです。こちらはフィールドで発動および適用されるモンスター効果はメインギミックでは一切ないため一方的に相手に押し付けることができます。初手先行で発動出来たらまず負けないので3枚採用です。

王宮の勅命×1

 一度エルドリッチを出せば副葬と強金が無効になるだけで特に問題がなく、罠ビートの天敵であるハーピィの羽根箒を無効にできるため採用しています。制限カードのため1枚採用です。

神の宣告×3

 最強の神罠です。罠デッキで3枚採用しない理由がありません。

EXデッキ

グスタフマックス×3ジャガーノートリーベ×2

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 エルドリッチ二体で出せるランク10としてグスタフマックスとグスタフマックスから変われるモンスターとしてジャガーノートリーベを入れています。この二枚があることによってライフを一気に削りに行けるため非常に強いです。呪われしエルドランドがあると攻撃できないので注意してください。

混沌の戦士 カオスソルジャー×2

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 このデッキの黄金郷罠は罠モンスターで、エルドリッチがレベル10のため、耐性持ちのカオスソルジャーが立てやすいデッキです。画像のとおり戦闘破壊した時に非常に強い効果を持つため、出せたら強いです。ジャガーノートリーベと同じくエルドランドと共存できないので注意してください。

残りのEX

コンキスタドールとワッケーロがレベル5なのでランク5のプレアデス、エルドリッチ2体で立つガンガリディア、いつものトロイメア2種を入れています。ここはほぼ使わないのでお好みのものでいいと思います。

 

4 終わりに

 このデッキは自分のしたいことをするデッキではなく、相手の邪魔をしながら殴り勝つデッキです。したがって相手のデッキに対する理解や自分のデッキでどこまで返すことができるのかを判断する力が求められてくるデッキだと思っています。言い方を変えれば使いこなすのが難しい、遊戯王への知識が必要なデッキだと思います。その分、相手との対話や表情やしぐさを観察することによる思考・判断力、攻めに行く大胆さと駆け引きといった、遊戯王の面白い部分が詰まったデッキでもあります。先攻制圧デッキに飽きた人や展開ルートを覚えるのが苦手な人、中速デッキが好きな人はぜひ一度このデッキを握ってみてもらえると嬉しいです。また機会があればエルドリッチの不採用カードのことや回し方、ほかのテーマデッキのことも書けたらと思いますのでよろしくお願いします。

 質問等ありましたらtwitterのDMやリプなどで言っていただけると幸いです。

 最後までご覧いただきありがとうございました。

 それでは!